東洋医学的、小麦事情の深掘り
「 グルテンフリーと言う考え方」
健康意識が高い方の間で、小麦を控えるメリットが注目されているのはよくわかります
ただ、問題なのは小麦そのものというより
過剰に加工されたパンやお菓子に含まれる「砂糖、脂質、添加物」の影響が大きいのかもしれません
小麦食品を食べる頻度や、不規則な食事の時間帯、体質的にグルテンが合わない方もいれば
逆に全粒粉などから大切な食物繊維や栄養を摂っている方もいます。
なので、『全員にとって悪』と言い切るのは、少しもったいないかもしれません。
「合う人もいれば、合わない人もいる」と言う考え方もありなのかな?っと
なので、「グルテンフリー」という考え方ではなく
「グルテンフレンドリー」と言う解釈で付き合ってみてはどうでしょうか?
完全にゼロにするのは大変ですし、ストレスも溜まります。
質にこだわって楽しむ日を作ったり
体の調子を見ながら、自分に合った適量を見つけていくのが健康的かもしれません。

ここからは東洋医学の視点から小麦を深掘りしたいと思います。
東洋医学的な解釈で小麦の最大の欠点を挙げると、「胃腸を湿気で汚しやすい」と言う点です。
日本は地理的に四方を海に囲まれ、海面からの水蒸気が常に供給されます。
気温が上がると蒸発量も多くなるため、空気中の水分量(湿気)が多くなります。
また、国土の7割が山地で、中央に高い山脈が走っていて海から流れてきた湿った空気が山々にぶつかって遮られることによりその周辺や盆地に湿気が溜まりやすくなります。
以上を踏まえると
東洋医学的な側面から日本人の体は「湿気の影響を受けやすい」と言うことが考えられます。
そしてここからが本題です。
「小麦」は性質上、「体内に余分な水分や汚れを溜め込みやすい」食材です。
特に、現代の精製された白い小麦粉は品種改良などを重ね、ネバネバした性質が強く
消化器である胃腸にへばりつきます。
また、精製された小麦を揚げ物や焼き菓子にすると、熱を持ち、この熱が湿(湿気)と結びつくと「湿熱(しつねつ)」となり、ニキビ、アトピーの悪化、内臓の炎症の原因となり、「体が重い、だるい、むくむ、下痢や軟便、便秘」といった症状を引き起こします。
外からの湿気と精製した白い小麦を過剰に食べることによる内側からの湿(しつ)のダブルパンチで
消化器(胃腸)の働きが弱り、様々な弊害が身体の不調として現れます。
ここまでの内容だけでは「いいことないじゃん?」っと思われますが
決して悪い面だけではありません。
むしろ東洋医学では、小麦(ショウバク)は漢方であり
歴史のある東洋医学書には
小麦は「心を養い、精神を安定させる優れた食材(薬)」として記されています。
イライラや不安、不眠を鎮める力があると考えられていて
体内の余分な熱を取り、喉の渇きを潤す効果もあります。
現代人が抱えがちな「ストレスやパニック、焦燥感」を和らげるための味方という捉え方をしています。
現代人がなぜストレスや余分な熱が身体に溜まりやすいのか?
と言うことを書き出すとさらに長くなるのでここでは省略します。
そして重要なのはやはり小麦との付き合い方で
「どんな小麦を、どう食べるか?」と言うこと集約されます。

そして、ここからは薪窯パン屋として伝えておきたいことがあります。
手間味噌ですが、乳酸菌で発酵させた小麦(ルヴァン種)を使い
薪窯の熱(薪を焚いて作る自然のエネルギー)で焼いた薪窯パンのエネルギーの高さが光り輝きます。
「ルヴァン種」
すごく簡単に例えれば「消化の先取り」です。
ルヴァン種に含まれる乳酸菌や酵母が
小麦のタンパク質(グルテン)を部分的にあらかじめ分解してくれます。
長時間発酵によって小麦の重たい性質が菌の力を借り、分解して変化し
胃腸に負担をかけず、消化吸収を助けます。
「薪窯の火」
薪窯の熱は、パンの中に「火の記憶」を閉じ込めます。
電気やガスの均一な熱とは異なり、薪窯の熱はゆらぎ(1/f)を伴う「生きた熱」です。
小麦(大地の恵み)と、炎(自然のエネルギー)を使い焼き上げる。
ゴツゴツとした手触り、不均一な焼き色の中に
野生味あふれる香ばしい香りと、噛むほどに感じる小麦本来の味わい。
数時間かけて薪を焚き、蓄熱された石の力でじっくりと焼き上げるプロセスは非効率の極みですが
単一菌(イースト)で工場生産された
消化吸収に時間がかかり胃腸の負担となる添加物だらけのパンではなく
しっかりと身体の糧となる消化吸収に優れたルヴァンで発酵させた伝統ある薪窯パンを、是非生活の一部に取り入れ、もう一度、小麦との距離感を考えていただけたら嬉しいです。
今回の一曲
Johnny Hammond Smith / Fantasy
1975年 LP 「Gears」から
ジャズ・キーボード奏者のジョニーハモンドの中でも大好きな一曲
ジャズファンククラシック是非!
